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革修理ブログ
2024/10/23
一人掛けソファー 補修、リカラー施工
みなさんこんにちは、革研究所 堺店です。
ブログをご覧いただきありがとうございます。
今回は、一人掛けソファーの補修・リカラー施工を
ご紹介いたします。
目次
③今回の補修・リカラー施工の工程
④施工ご依頼・お問合せ方法・アクセス方法
⑤革の歴史、鞣し(なめし)製法と種類、日本各地の革文化のご紹介
写真をご覧の通り、全体的な色褪せやひじ掛け部分のひび割れ、
座面部分の擦り傷があります。
擦り傷や汚れが蓄積されていくと革の劣化が進んでいきます。
施工前の画像でも分かりますが、小さい擦れ傷でも劣化が進むと破れる場合もあります。
ひじ掛けのひび割れの原因は、乾燥、摩擦、水分や湿気、汗や油脂、直射日光があります。
ひび割れをそのままにしていると補修ができなくなり、革の補修ではなく、革の張替えになります。
今回は、擦れ傷とひじ掛けのひび割れを補修し、リカラー(染め直し)を
する事で綺麗な状態になります。
いかがでしょうか!!
座面の擦れ傷、ひじ掛けのひび割れが補修、
リカラー(染め直し)をする事により綺麗になりました。
補修をする事で綺麗な状態になり、劣化を食い止めることができるので、
補修前の状態で使うよりも長く使い続けることができます。
③今回の補修・リカラー施工の工程
1,表皮塗料の溶解
既存塗料の劣化硬化した部分を溶解します。
2,全体クリーニング
長年の使用によって蓄積された手あかなどの油汚れを取り除きます。
3,非塗装部分の養生
木部など塗装しない部分の養生
4,擦り傷やひび割れた革表面を平滑にする
研磨材を使用し、ソファー全体を研磨、削りカス除去
5,キズ、ひび割れの補修材の擦り込み
擦れ傷、ひび割れた箇所に補修材を擦り込み、研磨と確認を繰り返し平滑に仕上げる
6,革の表面を平滑に仕上げる補修材を塗布
ソファー全体に補修材を塗布し、平滑にする
7,乾燥
8,塗料を調色
数種類の塗料からグラム単位で調色
9,調色した塗料+色止めコーティングを塗布
スプレーガンで調色した塗料と色止めコーティングをソファに塗布
10.乾燥
11,オイル仕上げ
ソファー全体にオイル塗り仕上げます
④施工ご依頼・お問合せ方法・アクセス方法
革研究所 堺店
住所:〒593-8302 大阪府堺市西区北条町2-23-16 革研究所 堺店
電話番号: 072-200-3500
E-mail: support@sakai-kawaken.com
URL: https://sakai-kawaken.com
LINE: https://lin.ee/I578UYx
営業時間:10:00~18:00
定休日:日曜日、祝日に加え
土曜日・月曜日は不定休でお休みさせていただきます。
出張可能エリア
堺市全域、堺市近隣エリア、大阪府南部(泉佐野市、河内長野市他)
公共交通機関でのご来店
JR阪和線 上野芝駅より徒歩17分
お車でのご来店
阪神高速湾岸線 出島出口より約15分
阪和道 堺インターより約15分
※納品等で外出している可能性がございますので、
ご来店する際は、事前におおよその日時のご連絡をお願いいたします。
⑤革の歴史、鞣し(なめし)製法と種類、日本各地の革文化のご紹介
革の歴史のご紹介
人類と皮革との歴史は古く、およそ200万年前の旧石器時代と
長い歴史がありました。
狩猟で捕まえた動物の皮を剥ぎ、食事の一部として考えられていました。
その後、動物の皮を寒さや衝撃から身を守るために毛皮や革を活用してきました。
旧石器時代の遺跡からは、皮革の加工に使用した道具が発見され、
衣服や仕事道具の材料として利用が始まりました。
皮は荒野での体温調節をサポートし、野生動物から身を守るのに役立ちました。
役立っていたのですが、腐敗や硬化により、すぐに使いづらくなったので、
最初は乾かすだけでしたが、柔らかくするために、もむ、叩く、
草木の汁につけてみたりと、皮を使いやすく長持ちする試行錯誤が行われ、
鞣し(なめし)の方法が開発されました。
鞣し(なめし)製法と種類のご紹介
・植物タンニンなめし
長い鞣し(なめし)の歴史の中で、もっとも古く伝統的な鞣し(なめし)方法が、
「植物タンニンなめし」です。「ベジタブルタンニンなめし」とも呼ばれることが
あります。
植物タンニンなめしは、お茶や赤ワインに含まれる「渋み」成分で
行われています。
皮をタンニンの漬け込むと「渋み」成分と反応し、皮から革に変化します。
植物タンニンなめしは手間と時間がかかり、数か月もかかることが
あるそうです。
仕上がった革はしっかりとした質感となりヌメ革(薄いブラウン)の状態に
なります。
また、ここからさまざまな色に染めることができます。
植物タンニンでなめした革は自然の素材を使用しているので、
革本来の風合いと長く使用していくことでの味の深まりを楽しめることが
でき、革の表面の美しさや柔軟性があり、耐久性が高いので長年に渡り
使用することができます。
生産面では大変手間のかかるなめし手法なので、年々タンナー(製革工場)
の数が減少していってます。その分価値が高まっています。
・クロムなめし
「クロムなめし」はクロム化合物を使用してなめす手法です。
クロムなめしにかかる時間は1日程度で。1度に多くの革をなめすことが
できるので、低コストで生産ができるため、現代ではクロムなめしが
主流となっています。
クロムなめしは植物タンニンなめしに比べて柔らかく伸縮性にすぐれている
ので着色や加工もしやすいので、多くの革製品に採用されています。
また、色抜けしにくく耐久性も高いので、メンテナンスがほとんどかからない
のが特徴です。
・混合なめし(コンビネーションなめし)
植物タンニンなめしとクロムなめしの2つが主流ですが、双方の良いところを
組み合わせたハイブリッドのなめし加工を「混合なめし(コンビネーションなめし)」
という製法です。
決まった配合はなく目的によって使い分けをします。
・アルデヒドなめし(ウェットホワイト)
環境問題からタンニンなめしの革と同様にクロム(メタル)フリーの革として
普及してきている。
クロムなめしに比べてややコストが高めになる。
油脂鞣し
日本に古来伝わる古いなめし法で特に播磨の特産で、延喜式造皮の項にも
類似のなめし方法が載っている。原皮を川で洗いバクテリアの働きで
鞣すことに特徴があり白い革に仕上がる。
熏(ふす)べ革
日本に古来伝わる古いなめし法で煙に含まれるアルデヒド類の鞣作用を
利用している。
延喜式造皮の項にも載っている。同名の着色目的の燻染法とは無関係。
皮から革にする工程の「なまし加工技術」が開発、発見したことにより
革の染色や装飾技術が発展し、さまざまな国の文化で独自のスタイルが
生まれました。
日本各地の革文化のご紹介
日本には大陸から渡来した「熟皮高麗」「狛部」といった
呼称の工人たちが革の加工技術を伝えたと言われています。
日本の革の歴史は、1000年以上も前にさかのぼることができるのだ。
播州姫路地方で当時より革のなめしが盛んに行われ、
鞣し(なめし)の工程は、瀬戸内海産の塩による
原皮処理→浅瀬で洗い流し→石河原での川漬→脱毛→
塩入れ→加湿→菜種の油付け→揉み→さらし→革洗いの反復作業で行われていた。
海が近い姫路は、まさに革の加工にピッタリの土地だったのです。
その他の地域でも、同様の技術によって革の加工が行われていました。
日本が諸外国に門戸を開く江戸時代までこの技術で革の加工され、
革は鞍や文庫などに珍重されていました。
現代の主流となっている植物タンニンなめしやクロムなめしは、
明治時代になって伝えられ、現在にいたります。
北海道の革文化
冬場の厳しい自然で知られる北海道ですが、
アイヌ民族や武士たちが使用していた革製品には、
アザラシ、クジラ、熊などの獣皮だけでなく、鮭の皮もなめして
履物などの日用品などに活用していました。
また、近年では、畑の農作物や森の木々を食べてしまう
エゾシカからの被害を軽減するため、エゾシカのお肉だけでなく、
皮を革として有効活用する方法を探っているそうです。
東北の革文化
飛鳥時代から行われている牧畜は盛んに行われているため、
1,000年以上の歴史があり原材料として重要な役割を果たしています。
革を活用した履物製造も盛んで、冬の寒さをしのぐための厚手の革製品、
雨や雪にも耐えうる耐水性の高い製品が多いです。
東北地方は、武家文化が根付いており、武士たちが使用していた
革製品も存在しています。
現在でも山形県や福島県では地場産業としてその技術が伝えられています。
また、フカヒレ産地の宮城県気仙沼市では、命を無駄にする事なく
サメの革も作っています。
関東地方の革文化
関東平野に大きな川が流れているため、
東京、埼玉、栃木は革のなめしに適した土地柄です。
特に東京では墨田川、荒川周辺に鞣し(なめし)産業が発展し、
関東近郊には鞣し(なめし)工場も多数あります。
また、革の鞣し(なめし)に適した土地柄で、
家内制手工業的な規模の工房も多いく、浅草界隈は
昔から袋物の製造が盛んで、靴、ベルトといった
小物製品の工場が軒を連ねています。
その他に特徴的なのは、爬虫類などのエキゾチックレザーの加工工場も多いです。
中部地方の革文化
山梨県甲府市で作られている甲州印伝(こうしゅういんでん)
という鹿革製品の工芸品が有名です。
甲州印伝(こうしゅういんでん)は、江戸中期に幕府に献上された
インド装飾革を国産化した物を起源とされています。
革自体はしなやかで使い込むほど光沢が増して美しくなります。
現在では高級バッグなどに姿を変え海外にも輸出されています。
また、尾張地方には徳川時代からの馬具職人が多くいた関係で、
ランドセルメーカーがたくさん集まっています。
近畿地方の革文化
革に関する歴史は古く、奈良時代以前より行われていたと考えられています。
特に兵庫県姫路市の鞣し(なめし)技術は有名で、成牛革の生産量は
国内第2位である東京の3倍近くにお生産量を誇っています。
大きな川が流れ、海が近くにある姫路に、
古くから伝えられてきた白鞣し(しろなめし)は、
甲冑や武具、馬具、太鼓などに幅広く使われてきた姫路を代表する革であり、
その技術と職人魂は、現在の姫路の職人たちに受け継がれています。
同じく兵庫県にある鞄の町・豊岡市で、日本の鞄の生産量の7割が作られています。
柳行李の製造が起源で、ここも1000年以上の歴史を誇っており、
日本で唯一の「鞄団地」があるのも有名です。
また、和歌山県では明治時代に西洋靴製造と皮革製造のために
外国人技師を招いて、皮革産業が発展しました。
現在では兵庫、東京と並び、和歌山は日本の皮革三大産地に数えられています。
中国地方の革文化
山陰・山陽地方では良質の鋼が取れることが有名で、
日本刀の産地で知られており、刀の柄や鞆は鮫皮で装飾されています。
ここで勘違いしやすいのが「鮫」。
日本の刀の装飾に使われていた鮫皮とは「エイ」のことなのです。
現在では、財布など小物にも使われるようになった「エイ」、
実は、日本の近海産ではなく、南シナ海やインド洋でとれたものが
輸入されて使われています。
硬く丸や楕円の文様が特徴のエイ革は、
日本刀の美しさにピッタリと合いました。
四国地方の革文化
香川県東かがわ市は、130年の歴史を持つ、日本最大の手袋産地です。
日本の革手袋の90%以上が生産されています。
明治時代に大阪から製造技術が伝えられたことで手袋産業がスタートしました。
野球やゴルフなどのスポーツで使用するグローブ、
手袋もここで作られた製品が多いと言われています。
温暖で雨が少なく、川が多いこの地域の気候や地勢は、革の加工に適しています。
また、手袋生産の中心であったドイツと、素材の供給や販売を担っていた
イギリスが第一次世界大戦で交戦国となったことによる特需を
きっかけに産業基盤が構築されたともいわれています。
九州地方の革文化
九州は日本開史以来、諸外国との外交の窓口の役割を担ってきました。
中世〜近世にかけては中国よりの文明が伝来しました。
近世に入れば西洋各国からそれまでになかったような
新技術が続々と流入してきました。
渡来人によって革の製法が九州に伝えられ古くからその中心となった地です。
北九州市は現代では女性用の履物の生産で知られています。
また、馬の産地として有名な熊本県、豚の産地として有名な鹿児島県が
九州の革産業を支えています。
九州地方は、気候が温暖で、革の原料となる畜産も盛んに行われています。
ここまで革の歴史と鞣し製法・種類と日本各地の革文化
について紹介させていただきましたが、
私たちの身近には色々な革製品があります。
今後も革やブランドについての歴史などをご紹介したいと思っております。
お手入れをすれば長く使えますので、革製品での補修や染め直し(リカラー)、
カラーチェンジなどがありましたらぜひ革研究所堺店にご連絡ください。
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革の鞄(カバン)のスレやキズの補修、変色、革の色を変える(カラーチェンジ)までお任せください。VUITTON(ヴィトン)GUCCI(グッチ)等の革ブランド品も修理可能です。
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