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2025/01/23

ボッテガ・ヴェネタ ショルダーバッグのリカラー施工

みなさんこんにちは、革研究所 堺店です。

ブログをご覧いただきありがとうございます (^_^)/

 

今回は、ボッテガヴェネタ ショルダーバッグ

リカラー施工をご紹介いたします。

 

堺市西区在住 F様からご依頼をいただきました。

 

 

目次

①施工前の画像とご説明

②施工後の画像とご説明

③今回のリカラー施工の工程

④ボッテガ・ヴェネタ  歴史のご紹介

⑤施工ご依頼・お問合せ方法・アクセス方法

 

 

①施工前の画像とご説明

写真をご覧の通り、全体的な色褪せろショルダー部分に

長年ご使用されてできたスレ傷があります。

 

ショルダー部分のスレ傷をそのまま使用していると劣化が進むと

革がひび割れたり、革が破れたりする場合があります。

また、ショルダーのパイピングの芯が出てくる場合があります。

 

今回は擦れ傷の補修、コーナー部のパイピングの補修、

リカラー(染め直し)をすることで綺麗な状態になります。

 

 

②施工後の画像とご説明

いかがでしょうか!!

全体的な色褪せ、ショルダー部分のスレ傷がありましたが、

補修、リカラー(染め直し)をする事で綺麗な状態になり劣化を食い止めることが

できるので補修前の状態で使うよりもより長く愛用することができます。

 

 

③今回のリカラー施工の工程

1,クリーニング

長年の使用によって蓄積された手あかや皮脂などの油汚れを取り除く

2,非塗装部分の養生(マスキング)

ファスナーや金具など塗装しない部分の養生

3,擦り傷や荒れた革表面を平滑にする

スポンジ研磨材を使用し、バッグ全体を研磨、削りカス除去

4,脱脂

アルコール系の溶剤を使用し、脱脂作業

手の油分やスポンジ研磨後の削りカスなどを除去

5,補修剤の擦り込み

コーナー部のパイピング部分は補修剤の擦り込みとスポンジ研磨材で研磨、

確認を繰り返し平滑にし凸凹を整える

6,革の表面を平滑に仕上げる補修剤を塗布

バッグ全体に補修剤を塗布し、平滑にする

7,乾燥

8,塗料を調色

数種類の塗料からグラム単位で調色

9,調色した塗料+色止めコーティング剤を塗布

スプレーガンで調色した塗料と色止めコーティング剤をバッグに塗布

10,乾燥

塗料と色止めコーティング剤を塗布した部分に触れたり、

当たらないように気を付けて乾燥

11,オイル仕上げ

バッグ全体にオイルを塗り仕上げます

 

 

④ボッテガ・ヴェネタ  歴史のご紹介

ボッテガ・ヴェネタの歴史はまだ比較的浅く、1966年に

イタリアのヴェネト州ヴィチェンツァで設立された革工房が始まりです。

ミケーレ・タッデイとレンツォ・ゼンジアーロの夫妻によって

革工房として設立されました。

二人が設立した会社は、イタリア・ヴェネト地方には革職人が多い地域です。

 

ヴェネト地方の熟練した腕を持つ職人を集めて、伝統的な手作業で

最高品質のレザー製品をつくることを目的に立ち上げられました。

ボッテガ・ヴェネタの高い品質と確かな技術は、イタリア上流階級の間で

すぐに認められ、厚い信頼と実績をつくり上げていきます。

 

ブランド名に創業者自身の名前を付ける事が多いですが、

ボッテガ・ヴェネタのボッテガは、イタリア語の工房を意味しています。

ヴェネタの工房を意味するブランド名となっています。

 

 

1970年にWhen your own initials are enough(自分のイニシャルだけで十分)」

と書かれた広告キャンペーンを開始しました。

キャッチフレーズどおり、ボッテガ・ヴェネタの製品への自信が表されており、

ブランドのロゴを入れないスタイルが特徴となっています。

 

1980年代初めには、世界中を飛び回る著名人を多数顧客に抱えるようになります。

その中にはジャクリーン・ケネディ・オナシスやファラ・パーレビ元イラン王妃など、

世界の著名人が顧客の名を連ねるようになりました。

 

1980年の映画「アメリカン・ジゴロ」では、ローラ・ハットンが

ボッテガ・ヴェネタのバッグを持つ場面があります。

 

1985年には芸術家アンディ・ウォーホルの短編映画

「ボッテガ・ヴェネタ インダストリアル ビデオテープ」を製作し、

幅広い分野から注目されることとなりました。

 

1990年代、ボッテガ・ヴェネタの隆盛に陰りが見られるようになりました。

原因としては、経営陣がブランドイメージをさらに高めようと、

1970年に掲げていたブランドのコンセプトを覆し、

製品にBV(BOTTEGA VENETAの頭文字)のロゴを飾りました。

ロゴを飾ったことがきっかけでボッテガの人気は徐々に落ちていき、

経営難にまで陥ってしまったのです。

 

2001年、経営が悪化していたボッテガ・ヴェネタに、転機が訪れます。

グッチグループにボッテガ・ヴェネタが買収されることになったのです。

グッチグループの傘下に入ったことにより、一気に世界中にブランドが

知れ渡るようになりました。

 

※グッチグループは、現在ケリンググループとして名が知られている

コングロマリット(複合企業)で、グッチを始め、サンローラン、バレンシアガ、

ステラ・マッカートニーなどを傘下に持つ会社です。

 

 

エルメスやソニア・リキエルなどでデザイナー担当として活躍した

トーマス・マイヤーがボッテガ・ヴェネタのクリエイティブ・ディレクターに就任しました。

 

トーマス・マイヤーは、ボッテガ・ヴェネタを本来の姿に戻すことを決意しました。

ボッテガ・ヴェネタの製品を飾っていたBV(BOTTEGA VENETAの頭文字)の

ロゴを撤廃し、ボッテガ・ヴェネタのブランドを象徴する技法

イントレチャートの編み込みのデザインを強調させました。

その結果、職人技を生かした製造というボッテガ・ヴェネタの創業精神に立ち戻ったのです。

 

トーマス・マイヤーの指揮によって急成長したボッテガ・ヴェネタは、

店舗を世界中に拡大しラグジュアリーブランドとしての地位を確立していきます。

 

2005年にはブランド初となるプレタポルテコレクションを発表。

2011年には香水の販売を始め、その他にもバッグやスモールレザーグッズ、

アクセサリー、インテリアなど幅広いカテゴリーを展開させていきます。

 

トーマス・マイヤー就任後の2001年から2011年の10年間で、

800%も売り上げを伸ばすことに成功しました。

 

 

2018年にクリエイティブ・ディレクターのトーマス・マイヤーが辞任し、

後任にセリーヌ、マルジェラ、バレンシアガなどで経験を積んだ、

ダニエル・リーが若干32歳で新たなクリエイティブ・ディレクターに就任しました。

 

2021年、ダニエル・リーが退任し、マチュー・ブレイジーが

クリエイティブ・ディレクターに就任し、現在に至ります。

 

ボッテガ・ヴェネタの販売網は、ヨーロッパ・アジア・オーストラリア・南米・北米を網羅し、

現在43か国で251店の直営店を展開しています。

 

 

革職人のための養成学校を設立

ブランドを支える職人の技術を次世代へと受け継ぎ、伝統を廃れさせないため、

2006年に革職人を養成・支援する学校

「スクオーラ・デッラ・ペレッテリア」を開校しました。

クラスではノウハウや根本的な価値観を伝え、高級レザー製品における

裁断や加工、パターンメイキング、そしてレザーの編み込みといった

ボッテガ・ヴェネタでの実務で役立つ技術を身に着けることができます。

 

2013年にはボッテガ・ヴェネタのルーツでもあるヴェネト地方の

モンテベッロ・ヴィチェンティーノに新しいアトリエをオープンしました。

修復・建造にはトーマス・マイヤーが監督となり指揮しました。

アトリエには、これまでの作品を集めたアーカイブ、美術館の他に

2006年に開校された職人たちのための養成学校が併設されています。

ボッテガ・ヴェネタの職人は、この学校で3年間のコースを修了して

初めてアトリエで働くことが認められます。

 

 

ボッテガ・ヴェネタの特徴

ボッテガ・ヴェネタの伝統技法イントレチャート(intrecciato)は、

イタリア語で「編み込み」を意味する言葉で、

職人の高い技術と手間を要する技法となります。

丁寧になめされた革に1枚ごと短冊に切れ込みを入れ、

1枚1枚を手作業で編み込んで製品をつくり上げていきます。

イントレチャートはイタリアのトスカーナ地方の伝統的な編み込み技法となります。

ボッテガ・ヴェネタのレザーアイテムのほとんどにイントレチャートが採用されており、

このデザインを見ればすぐにボッテガ・ヴェネタだと分かるほど有名となっています。

他にもイントレチャートの技法を使っているブランドはありますが、

その中でもボッテガ・ヴェネタのクオリティが圧倒的に高いため、

イントレチャート=ボッテガ・ヴェネタと成り立っています。

 

ボッテガ・ヴェネタのコンセプトは、When your own initials are enough

(自分のイニシャルだけで十分)」というスローガンを掲げているので、

バッグや財布などのレザー製品にはBVなどのロゴは入っていません。

 

短冊切りの上質なレザーを丁寧に編み込んだアイテムは、

ロゴがなくてもひと目でボッテガのものと分かるものの、いやらしさは全くなく、

逆に優雅な気品を漂わせます。

ボッテガの最大の魅力は、イントレチャートのシンプルながらも高級感のある

洗練されたデザインにあります。

 

 

使われている素材

ボッテガ・ヴェネタの素材として主にレザーは、

カーフレザーとラムレザーが使われています。

 

カーフレザーは 生後6ヶ月以内の子牛の革です。

 丈夫で耐久性に優れていて、使うほどに馴染みが出てくることが特徴となっています。

程よい光沢があり、上品で優雅な印象を与えます。

 

ラムレザーは 生後1年未満の子羊の革です。 

しなやかで使い始めから滑らかで柔らかい肌触りが楽しめるのが特徴となっています。

カーフレザーに比べて耐久性は低く、水に弱いため、

取り扱いには十分注意する必要があります。

光沢は控えめで、大人っぽい落ち着いた印象を与えます。

 

 

日本国内には1974年頃、輸入卸専門商社株式会社アオイによって紹介され

日本国内を展開していました。

 

日本で知られるようになったのは、グッチグループ(現ケリンググループ)の傘下に

なった事で、ボッテガ・ヴェネタジャパンが設立されました。

 

2002年にミラノ、パリ、ロンドンに次いで4店舗目として

東京の青山にトーマス・マイヤーが監修を務める旗搬店をオープンしました。

(現在、青山店は2006年に表参道ヒルズ内に移転しています。)

 

2007年には、世界最大規模となる旗搬店の銀座店がオープン。

1〜3階は店舗スペース、4、5階は日本法人の本社機能とショールームが置かれています。

2018年12月に銀座店は銀座2丁目から銀座5丁目の晴海通りに面した場所に移転。

6階建ての売り場面積が約800平方メートルとなるスペースを贅沢に活用し、

レザー製品を始め、メンズ及びウィメンズのウェア、シューズ、アクセサリー

などのさまざまなファッションアイテムが取り揃っており、フレグランスや

家具・インテリアを中心とするホーム&ファニチャーまでの

幅広いコレクションが楽しめます。

1階エントランスの床には、江戸時代後期の建築で用いられていた鉄平石が

敷き詰められています。

和の雰囲気を感じられる空間に。シルバーのスクエアパネルを

900枚以上合わせて作られたファサードは、「イントレチャート」が

モチーフとなっっています。

 

近年でボッテガ・ヴェネタにオマージュされたデザインが増えています。

実際に見て触れてみれば、本物との技術の高さの違いが分かると思います。

製品に使用されているレザーは非常に滑らかで、その質感は

まるでシルクのようだと言われるほどの最高品質のレザーと

確かな技術を持った職人が手掛けた製品は、どんなファッションや

シーンにもマッチし、男女問わず多くの人に支持されています。

 

 

ここまでボッテガ・ヴェネタの歴史についてご紹介させていただきました。

私たちの身近には色々な製品があります。

今後もブランドや革製品などについての歴史などをご紹介したいと思っております。

 

お手入れをすれば長く使えますので、革製品での補修やリカラー(染め直し)、

カラーチェンジなどがありましたらお気軽に革研究所堺店にお問合せください。

 

 

⑤施工ご依頼・お問合せ方法・アクセス方法

革研究所  堺店

住所:〒593-8302 大阪府堺市西区北条町2-23-16 革研究所 堺店

電話番号: 072-200-3500

E-mail:  support@sakai-kawaken.com

URL:  https://sakai-kawaken.com

LINE:  https://lin.ee/I578UYx

営業時間:10:00~18:00

定休日:日曜日、祝日に加え

土曜日・月曜日は不定休でお休みさせていただきます。

 

出張可能エリア

堺市堺区、堺市北区、堺市中区、堺市西区、堺市東区、

堺市南区、堺市美原区、泉大津市、大阪狭山市、河内長野市

大阪府南部(泉佐野市、富田林市他 )

 

公共交通機関でのご来店

  JR阪和線 上野芝駅より徒歩17分

 

お車でのご来店

阪神高速湾岸線 出島出口より約15分

阪和道 堺インターより約15分

納品等で外出している可能性がございますので、

ご来店する際は、事前におおよその日時のご連絡をお願いいたします

革修理対応製品

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革鞄・バック

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革の鞄(カバン)のスレやキズの補修、変色、革の色を変える(カラーチェンジ)までお任せください。VUITTON(ヴィトン)GUCCI(グッチ)等の革ブランド品も修理可能です。

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革財布(サイフ)、小銭入れ、キーケース等の小物全般の革のキズ、スレをキレイに修理いたします。CHANEL(シャネル)GUCCI(グッチ)等のブランド革小物の修理ももちろんOKです。

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男性物の革靴、女性物のブーツ等靴の革修理(スレ・キズの補修)も可能です。思い出の有る革靴等の修理はお任せください。もちろん革靴の修理に関してもブランド靴の修理可能です。

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店舗情報

革研究所 堺店

代表者 藤林 薫
所在地 〒593-8302 大阪府堺市西区北条町2-23-16
TEL 072-200-3500

対応エリア
大阪府 堺市全域・堺市近隣エリア

当店の革修理は革の事を知り尽くした熟練職人が一点一点丁寧に修理・補修いたします。思い出の有る大切な革製品を安心してお任せください。また、ブランド品(VUITTON・CHANEL・GUCCI等)の革修理経験も豊富です。革のキズやスレの補修はお任せください。革修理の御見積やお問合せはもちろん無料です。

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